プリムスクリエイティブの長期インターンシップは、滋賀大学 経済学部 山下悠研究室との出会いから始まりました。学生たちがプリムスクリエイティブと関わりを持つ機会をつくってくださったのが、山下悠先生です。
今回は、山下先生に、プリムスクリエイティブとの出会いや、これまで共に歩んできた時間、そして「滋賀で経営を続けること」について、率直なお話をうかがいました。聞き手は、代表取締役の柴田誠一が務めました。
山下 悠 先生
柴田 誠一
出会いのきっかけ ―「信頼されている会社」との出会い
柴田
まずは、プリムスクリエイティブと関わりを持っていただいたきっかけからお聞かせいただけますか。
山下先生
もともとは、私の研究室のインターンシップがきっかけでした。ある企業さんのインターンシップで、新しい事業のホームページを立ち上げるというお話があり、その制作を依頼されていた先が、プリムスクリエイティブさんだったんです。
実際にホームページを作るときの打ち合わせに同行させていただいたときに、プリムスクリエイティブさんの一階の食堂のようなスペースで初めてお会いしたのが、最初の接点でした。
柴田
そのときの印象は、どんなものでしたか。
山下先生
とても覚えているのは「この企業さんが信頼している会社なんだな」という印象です。
ホームページやECサイトを作る会社さんは、世の中にたくさんあると思うんです。その中で、依頼主の企業さんが、しっかりと物事を見極めて意思決定される方だからこそ、「この会社さんに任せる」と決められたのだと感じました。信頼を大切にされる企業さんが、これほど深く信頼を置いている——その事実が、いちばん印象に残りました。
だからこそ、プリムスクリエイティブさんは、きちんと、丁寧にお仕事をされる会社さんなんだろうな、と。それが最初の印象でしたね。
共に成長する ― インターンと会社の関係
柴田
その後、一緒にインターンをさせていただきながら、関わりを持ち続けていただきました。実際に関わってみて、いかがでしたか。
山下先生
ある種、学生と一緒に成長させていただいたな、という感覚があります。
当時まだ一年生だった学生が、なかなか高いスキルを持っていて。それに合わせて、新しいことにどんどんチャレンジしていける環境がありました。学生から提案したこともあれば、私から提案したこともありますが、そうしたものが次々と実際に取り入れられていく。こちらとしては、とてもやりやすかったですね。
柴田
ありがたいお言葉です。
山下先生
提案したことに、必ずしもすべての方が乗ってくださるわけではありません。「一緒にやりませんか」とお声がけしても、なかなか動きが生まれないこともあります。その点、柴田さんはフットワークがとても軽くて。私自身もよく「フットワークが軽い」と言われるのですが、柴田さんも同じで、「持ちつ持たれつ」——お互いに気持ちよく声をかけ合える関係を築かせていただいていると感じます。
柴田
導入してみて、合わなければやめる、という試行錯誤もしてきました。
山下先生
そこがいいなと思っているところです。私が関わらせていただいたことが、すべてそのまま会社を良くしているかというと、もちろんそうでない部分もあると思います。ただ、「まず取り入れてみて、これは少し違うなと思ったら手放す」という、そのサイクルの回し方がとても良い。スクラップ&ビルドをきちんと実践されているところは、見ていて面白いなと思います。
インターンシップに込めた意図
柴田
地域の会社や中小企業に向けてインターンをされていますが、その意図のようなところをお聞かせいただけますか。
山下先生
もともとの出発点は、「学生は、なぜインターンをするのか」という問いでした。そこから、「では、中小企業にとって本当に役に立つインターンとは何だろう」ということを探ってきた感じです。
一つの整理としては、経営者が新しいことに取り組むとき、社員さんだけでは手が足りない部分を、インターン生が担う——という考え方が、いちばんきれいに当てはまります。
ただ、プリムスクリエイティブさんのインターンに関して言うと、その意識はもうかなり薄くなっていて。どちらかというと、「それぞれにとって学びがあることを、それぞれが取り組む」という形になっているんです。たとえばDX認定の取得も、社員さんに余裕がない中で、インターン生みんなで取り組んだりしていましたよね。
山下先生
マネジメントゲーム(MG)の交流イベントも、柴田さんご自身が価値を感じてくださっているので、毎年続けてくださっています。あれはある意味、カフェのように——地域の学生と、地域の企業の方が集まる場になっている。そういう場を継続的に開催できているというのは、とても面白いことだなと思っています。
客観的に見たプリムスクリエイティブ
柴田
客観的に見て、プリムスクリエイティブがどんな会社か、そして「もっとこうしていったら」というフィードバックをいただけるとありがたいです。
山下先生
私は雇い主として契約を結ばせていただいたことがあるわけではないので、サービスそのものの価値の強さを、お客様の立場から評価することはできません。ただ、毎年、経営指針書や財務データを見せていただいていて、その数字が着実に伸びているのを拝見しています。
そして、いちばんすごいなと思うのは——マネジメントゲームで学ぶような考え方を、実際の会社の経営にきっちりと落とし込んでおられるところです。たとえば「売上を一割増やすために、増し分の提案を1つ増やす」といった発想や、数字の目標をどこに置くかという考え方を、実際の経営に反映されている。しかも、それを経営指針書という、対外的にもお見せできる形に、きちんとまとめておられる。
私の知る限り、マネジメントゲームの考え方を、ここまできちんと書類に落とし込んで実践されている会社さんは、そう多くありません。その点は、本当にすごいなと思っています。
新しい挑戦との向き合い方
柴田
新しい事業にも挑戦したら、という話もありますが。
山下先生
正直に言うと、新規事業は怖いものだと思っているんです(笑)。
これまでやってこなかったことの延長線上に挑戦するとき、中小企業の場合、今の事業と関連のある形での多角化——「関連型多角化」であれば取り組みやすいのですが、まったく関連のない分野に踏み出すのは、かなりリスクが大きい。誰もその分野を分かっていない、しかも「分かっていない」ということに気づいている人すらいない、という状況で新しい領域に入っていくのは、なかなか難しいものです。
大切なのは、新しい挑戦を、経営指針ときちんと結びつけて進めること。「なぜこの事業をやるのか」が経営の軸とつながっていれば、意味のある挑戦になります。
山下先生
それから、この長期インターンがそもそも何から始まったかというと、「デジタルの会社なのに、自社のデジタル化が十分に進んでいない」という課題からでした。それがコロナ禍も含めてある程度実現できたので、「では、次はどうしよう」というところに来ているのだと思います。
その次の一手として、「もっと対面で仕事をする方向に」という考え方もあるかもしれません。ただ、私はそこは少し慎重に考えたほうがいいのかなと思っています。もともとデジタル系で、家でも仕事ができるから、という理由で入られた方も多いので、急に対面中心に舵を切ると、その良さが失われてしまう可能性があります。
ですから、無理に急がず、安定成長で進んでいかれたらいいのではないか、と。いつか大きな社屋を構えて、そこでPRができるような会社になる、というのも一つの理想かもしれませんが、そこまでは、そんなに焦らなくてもいいのではないかと思っています。
滋賀で経営するということ
柴田
滋賀で中小企業として起業し、続けていく会社について、どう思われますか。滋賀で働く意味、滋賀で経営する意味のようなところを、お聞かせください。
山下先生
私は、「滋賀って、実はそれほど“地方”ではないですよね」と思っているんです。
新幹線に乗れば、東京まで二時間で行けてしまう。ということは、そんなに地方ではない。逆に言えば、東京に人も仕事も取られる可能性が十分にあるということです。ネット社会が進み、距離がどんどん縮まっていく中で、「自分たちは、どこと戦っているのか」を意識することは、とても大切だと思います。
一方で、ある経営者の方が授業でお話しくださったのですが、滋賀県は、名古屋と大阪のちょうど真ん中に位置している。どちら向きに営業するか、という選択肢を両方持てる。どちらも近いので、どちらにも営業できる、というわけです。京都も含めて近いことを考えると、市場としてはかなり大きい。その意味で、滋賀の立地はとても良いのかなと思って見ています。
柴田
滋賀で会社を起こすメリットのようなところは、いかがでしょうか。
山下先生
内容にもよりますが——滋賀の方は、どちらかというと内向きな面があるかもしれません。そして、アピールがあまり得意ではない。観光地一つとっても、良いコンテンツ、良いものがたくさんあるのに、それを十分に発信できていないところがあると感じます。
おもしろいのは、「自分の住んでいる場所より南のことは分かるけれど、北のことはあまり見ていない」という傾向があること。私たち自身も、湖の対岸のことは、意外と見ていなかったりします。つまり、「滋賀」と言いながら、実は知らないことが案外多い。裏を返せば、思いがけないところにお客様がいるかもしれない、ということでもあります。
お客様は、京都にも、大阪にも、名古屋にもいらっしゃる。そう考えると、滋賀は、市場に向き合ううえでの立地として、とてもやりやすい場所なのではないかと思います。
編集後記
今回のインタビューでは、山下先生が一貫して大切にされている視点が、随所に感じられました。それは、「学びと挑戦を、それぞれが持ち寄り、循環させていく」という考え方です。
プリムスクリエイティブの長期インターンシップは、学生が社会経験を積みながら成長する場であると同時に、企業が次の世代の視点から自分たちを見つめ直す場でもあります。山下先生が「それぞれにとって学びがあることを、それぞれが取り組む」と表現してくださったこの関係は、まさにプリムスクリエイティブが大切にしている「ITで三方良し」の考え方と重なります。
また、「まず取り入れてみて、違えば手放す」というスクラップ&ビルドの姿勢、マネジメントゲームの学びを経営にきちんと落とし込む実践、そして滋賀という土地から広い市場を見据える視点——いずれも、これからのプリムスクリエイティブが歩んでいく道を、あらためて照らしてくださるお話でした。
インターンシップの機会をつくり、こうして貴重なお話を聞かせてくださった山下先生に、心より感謝申し上げます。
プリムスクリエイティブについて
株式会社プリムスクリエイティブは、「ITで三方良し」を理念に、お客様のDXパートナーとして、長期的な視点で課題解決に伴走する企業です。システム開発やコンサルティングにとどまらず、地域の学生とともに学び、成長する長期インターンシッププログラムにも取り組んでいます。